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大阪高等裁判所 昭和24年(を)3093号 判決 1949年11月11日

被告人

申期夫

主文

本件控訴を棄却する。

当審の訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

本件控訴の理由は末尾添付の被告人提出の控訴趣意書の通りである。

所論は要するに被告人は岡田某にたのまれ盜品とは知らずに運搬したに過ぎないので竊盜の事実は無根であり毛頭身に覚えのないことであると言うのであるが、原判決に挙げた証拠を綜合すると原判示事実は十分認められる。記録を調査すると、被告人は警察及び檢察庁においては犯行を否認していたけれども原審の公判廷においては「岡田は私方に來て、私方の暮しに困つているのを知つて、儲ける方法を敎えてやると言い、それから話をきいている内に泥棒に行く樣子であつたので断つたが、同人は本件の三日程前にも私方に來てすすめるので惡いことと思いながら承知して一緖に行くことにきめ、その当日岡田が私方へ誘いに來たので一緖に盜みに行つたのである。その日は私方を先に出た岡田と私方附近の道で落合い、市電にのつて出掛け、私は附近の野小屋で持ち、岡田が自轉車で運んで來た荷物を荷造りして私方に持帰る途中捕えられた」と供述しているのであつて、かように竊盜の実行を共謀しその附近において待ち合せ盜品を運搬した以上竊盜の正犯としての責任を免れないのである。論旨は理由がない。

よつて、刑事訴訟法第三百九十六條第百八十一條第一項に従い主文の通り判決する。

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